ご挨拶

 第2回日本慢性看護学会学術集会を東京都渋谷区の日本赤十字看護大学で開催いたします。
 今回の学術集会テーマは、慢性看護の真髄ともいえる、「共に在り、共に変わる慢性看護」といたしました。このテーマでは、看護職が療養生活を続ける対象者(患者)の傍らに寄り添い、そのことに耳を傾け、対象者を主役として、対象者が挫けずによりよい生に向かって生きることができるように支援をする。その支援の過程で看護職も変わっていき、成長していくありさまを示しました。このテーマに基づいて、特別講演やシンポジウムが組まれていますので、慢性看護の真髄が表せる学術集会になることを願っております。

 さて、「慢性看護」は、成人看護学、老年看護学、精神看護学、地域看護学など発達や看護の実践場所をベースにした看護専門領域などで研究されてきました。特に成人看護学(慢性)という領域で研究されてきましたが、概念・理論の抽出や体系化は、残念ながらほとんど進んでいません。第1回の日本慢性看護学会学術集会で、その第1歩を踏み出しましたが、まだまだ不十分です。
 その慢性看護領域が探求するべきものの1つに、慢性疾患患者への患者教育(学習支援)があります。患者教育は、看護の中で「患者支援の中の教育的機能」というべきもので、学習環境支援の内容も含んでおります。この部分の概念・理論の抽出や体系化も本学術集会の大きな目標の1つです。

 本学会は、第2回の学術集会と、まだまだは若い学会ではありますが、慢性看護の概念化、理論化、体系化に向かい意欲的に取り組んで生きたいと思っております。この学術集会で、実践の場から研究を、研究の成果から実践への応用へと、実践家と研究者が相互交流しながら、慢性看護を発展させていければ幸いです。
 慢性看護の研究者のみならず、多くの実践家の方々にご参加をいただけますよう、ご案内申し上げます。

第2回日本慢性看護学会学術集会
会長  河口 てる子
(日本赤十字看護大学)


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